「帯域幅って何?」
「帯域幅と通信速度は同じ?」
「格安SIMを快適に使うには?」
帯域幅は通信品質を表す指標ですが、帯域や通信速度と似ていて違いがわからない人も多いのではないでしょうか。
本記事では、帯域幅を詳しく解説します。
通信速度との違いや格安SIMの帯域幅の特徴も併せて解説するので、通信の品質を理解したい人はぜひ参考にしてください。
帯域幅とは


帯域幅とは、インターネット上でどれだけ多くのデータを一度にやり取りできるかを示す「通信の通り道の広さ」を表す言葉です。
帯域幅が広いほど通り道が広く、多くのデータを送受信しやすくなるため動画の再生やWebページの表示がスムーズになります。
つまり、帯域幅の広さは通信の快適さに直結する重要な指標です。
用途にもよりますが、快適に通信をするには最低でも10Mbps以上の帯域幅が必要です。
帯域と帯域幅の違い


帯域と帯域幅はほぼ同じ意味で使われることが多いですが、厳密には異なります。
▼帯域と帯域幅の違い
- 帯域:周波数の範囲
- 帯域幅:最も高い周波数と最も低い周波数の差
道路にたとえると「帯域幅」は道路の車線の数や幅の広さにあたります。
つまり、一度にどれだけのデータが通れるかを表す通信速度の上限を決める要素です。
一方「帯域」はより広い意味で使われ、文脈によっては「通信に使われる周波数の範囲」や「その帯域幅」を指す場合もあります。



どちらも通信の性能や容量を理解するうえで重要な指標で、帯域幅が広いほど多くのデータを短時間で送れることを表します。
帯域幅と通信速度の違い


帯域幅と通信速度はどちらも使用単位がbpsのため密接に関連していますが、厳密には表しているものが異なります。
▼帯域幅と通信速度の違い
- 帯域幅:理論上どれだけのデータを同時に送れるか
- 通信速度:実際にどれくらいの速さでデータが流れているか
つまり、帯域幅はポテンシャルを表す理論値で、通信速度は実測値です。
帯域幅はあくまで最大通信速度を表しているに過ぎないので、帯域幅が広くても通信が混み合っていたら通信速度は遅くなります。
データ通信を利用する際は、実際の速度に近い通信速度を参考にしてください。
格安SIMの通信速度が遅い理由
格安SIMは大手キャリアから回線の一部を借りており、その分帯域幅が狭く通信速度が遅くなりやすいです。
通信が混雑している際の影響も受けやすいので、利用する時間帯によっては快適に通信ができない可能性もあります。
月額料金が安い分、通信速度にはデメリットがある点を理解して利用しましょう。
▼格安SIMの通信速度が遅い理由
なお、大手キャリアでも一時的に帯域幅を狭くして制限をかける場合があります。
大手キャリアから借りている帯域幅が狭い


格安SIMは大手キャリアの回線の一部を借りて運営しているため、借りている通信量の上限が帯域幅にあたります。
一部しか借りられないため、大手キャリアよりも帯域幅が狭く、速度も低下しやすいです。
最大通信速度が大手キャリアより遅いので、容量の大きいオンラインゲームや高画質動画の視聴をメインで利用する場合は注意しましょう。
なお、回線は申し込みの際に大手キャリアの中から好きな回線を選べる場合もあります。



dinomoは格安SIMですが、楽天モバイル・ドコモ・auの3キャリアの回線を利用できます。それぞれの帯域幅は狭くとも、繋がりにくい時は別の回線に切り替えることで解決する可能性がありますよ。


混雑状況によって速度が大幅に変化する


格安SIMは借りている帯域幅が限られているため、回線の混雑状況によって速度が大幅に変化しやすいです。
交通道路に例えると、道路が狭い分渋滞が起きやすくなっています。
特に、12〜13時の昼休み時間や18〜23時の夜間はユーザーのアクセスが集中しやすく、回線が混雑して速度が低下する傾向にあるため要注意です。
快適に利用するためには、混雑する時間帯を把握した上で使う時間帯をずらしたりWi-Fiを併用したりする必要があります。
時間帯や契約内容によって帯域が制御される場合がある


一部の格安SIMでは、特定の時間帯に意図的に通信速度を制限する「帯域制御」を行っている場合があります。
例えば、mineoの「マイそく」は平日12〜13時に帯域制御がある代わりに、月額料金が月額250〜2,200円と安く設定されています。
帯域制御の時間帯にスマホを使わない人や、Wi-Fiを使える環境にいる人におすすめです。
なお、イオンモバイルやリンクスメイトのように、自身で好きな時に通信速度を制御できる「低速モード」を導入している格安SIMもあります。
大手キャリアにも帯域制御は存在する
格安SIMだけでなく、大手キャリアでもデータを使い切ったり一定時間内に大量のデータ通信を行ったりすると、帯域制御が実施される場合があります。
帯域制御が実施されると、通信速度が大幅に下がります。
帯域制御の旨は各キャリアの利用規約に明記されているので、利用する際はデータ通信量に気をつけましょう。
格安SIMの通信速度を確認するポイント
格安SIMに限らず、最大通信速度として記載されている数値は理論値のため、あらかじめ検証サイトで実測値を知っておくことが大切です。
また、通信速度は時間帯によって異なるので、利用する時間帯と混雑する時間帯をずらすと快適に使えます。
▼格安SIMの通信速度を確認するポイント
最大通信速度はあくまで目安
格安SIMの公式サイトには、最大通信速度が表記されていますが、この数値はあくまでベストエフォートのため過度な期待は禁物です。
▼IIJmioの最大通信速度例
- ドコモ回線下り:再大1288Mbps
- au回線下り:最大958Mbps
※端末によって異なる
例えば、格安SIMのIIJimoは最大通信速度が約1000Mbps前後と表記されていますが、みんそくの実測値ではいずれの時間帯も最大通信速度とはかけ離れています。
時間帯 | 実測値 (下り) |
---|---|
朝 | 64Mbps |
昼 | 16Mbps |
夕方 | 56Mbps |
夜 | 47Mbps |
深夜 | 79Mbps |
通信速度の変動が大きく、特に昼の時間帯は速度が一段と下がっています。
そのため、最大通信速度を鵜呑みにせず、みんそくなどで実測値を知っておくことが大切です。
利用する時間帯を考慮する
格安SIMを利用する際は、快適に通信するためにも時間帯を考慮しましょう。
混雑しやすい12〜13時のみあまり通信をしなければ、他の時間帯はスムーズに使える場合が多いです。
なお、日中も頻繁にデータ通信をしたいのであれば、混雑時の速度低下が少ない事業者を選ぶのが無難です。
例えば、UQモバイルやLINEMOは昼間でも平均で100Mbps以上の速度が出ているので、快適に利用できます。
みんそくを始めとした検証サイトで、事業者の混雑時における速度の影響を確認してください。
データ容量を超過した後の速度も重要
格安SIMで毎月のデータ通信量を超過すると、約128kbps〜1Mbps程度の速度制限がかかります。
1Mbpsあれば、容量の軽いWebページを開いたりメールをしたりなど最低限の利用はできるので、月末までデータチャージをしなくとも乗り切れる可能性が高いです。
しかし、速度制限で128kbpsになるとほぼすべてのデータ通信が快適にできなくなるため、注意しましょう。
Wi-Fiを積極的に活用する他、超過の心配がない十分なデータ容量を確保しておくことが大切です。
帯域幅によくある質問
帯域幅によくある質問の情報をまとめました。
- 帯域幅って何?
帯域幅とは、データの通り道の広さのことを指します。単位はMbpsで表され、数値が大きいほど通り道が広く、一度にやり取りできるデータ量が多くなるので快適な通信が可能です。また、通り道が広いと回線の混雑にも強く、混雑しやすい時間帯でも比較的早い速度が出ます。
>> 帯域幅の概要を詳しく見る- 帯域と帯域幅の違いは?
帯域は周波数の範囲、帯域幅は最も高い周波数と最も低い周波数の差のことを指します。どちらも通信の品質を表す指標です。道路に例えると、帯域は今走っている道路の種類や広さなどを表し、帯域幅は道路全体の車線の数や何メートルあるかといった具体的な広さを表します。
>> 帯域と帯域幅の違いを詳しく見る- 帯域幅と通信速度は同じ?
帯域幅は理論上どれだけのデータを同時に送れるかの理論値を表し、通信速度は実際にどれくらいの速さでデータが流れているかを表します。帯域幅の数値はあくまで最大通信速度なので、数値が高くても混雑していたら通信速度は遅くなります。
>> 帯域幅と通信速度の違いを詳しく見る- 格安SIMの通信速度が遅い理由は?
格安SIMは大手キャリアの回線の一部を借りているため、帯域幅が狭く大手キャリアよりも通信速度が遅くなりやすいです。帯域幅が狭い分混雑の影響も受けやすく、12〜13時などの時間帯では回線が混雑して通信速度が低下します。混雑する時間帯は利用を避けるか、Wi-Fiを併用するのがおすすめです。
>> 格安SIMの通信速度が遅い理由を詳しく見る- 最大通信速度の速いサービスを選べば快適に通信できる?
最大通信速度が速いサービスを選んでも、必ずしも快適に通信できるとは限りません。最大通信速度は事業者が最大限努力し、端末や環境などすべての条件が揃った上での数値です。常にその速度を出せるわけではなく、実測値とは異なる場合が多いのでみんそくなどで実測値を参考にして選びましょう。
>> 最大通信速度が表すものを詳しく見る
まとめ
最後に、帯域幅をおさらいしましょう。
- 帯域幅はデータの通り道を表す
- 数値が高いほど快適に通信できる
- 格安SIMは帯域幅が狭い
- 最大通信速度より実測値の方が重要
- 12〜13時の昼間は特に混雑しやすい
帯域幅はデータの通り道を表し、数値が高いほど通り道が広く通信速度が速くなりやすいです。
周波数を表す帯域や、通信の速さ自体を表す通信速度とは若干表すものが異なります。
なお、帯域幅の数値はベストエフォートでの理論値に過ぎないため、過度に期待してはいけません。
みんそくなどの検証サイトで実測値を確認し、ストレスフリーに利用できる事業者を選びましょう。



格安SIMを利用する際は、実測値やデータ容量超過後の通信速度を把握してから選んだり、混雑する時間帯とずらして使ったりするのがおすすめですよ。
最後までお読みいただきありがとうございました。